物買ってくる
自分買ってくる
柳宗悦らとともに民藝運動を牽引した陶芸家、河井寛次郎の言葉として知られています。無名の職人が庶民の暮らしの生活のためにつくった品には飾らない美しさがあり、それを「用の美」と言います。民藝の本質は、実用性、無名性の中に宿る健康的な美と理解しています。
寛次郎が言い当てているように、買い物とはまさに自己表現そのものです。勤労の対価として得た報酬をもって行う神聖な真剣勝負なのです。生活者にその自覚があるか否かは横に置いても、商人は真摯でなければなりません。
買物の喜びが時を重ねるたびに増していくような、商いをしましょう。どこで買ったか忘れられてしまうような商売に商人の生きがいはありません。買うたびに、あなたとあなたの店がじんわりと思い出されるような売り買いに努めましょう。
物売っている
自分売っている
寛次郎に倣うならば、こう表現したいところです。そんな商いを一つひとつ重ねていく先に、あなたの商人としての喜びがあります。いえ、一人の人間としての幸せがあるのです。
【今日の商う言葉】
お客様にとって
買物はいつも真剣勝負
その真剣さに真摯さで
応えられる商人であろう