計数管理は商いをする上で大切な指標です。数字を見ないのは、燃料計や高度計のない飛行機を操縦するようなものです。しかし、それ以上に大切なことがあります。しかもそれは、残念ながら数字で測れないものなのです。
善と悪、正しいか正しくないかという行いのバランスシートを持ちましょう。あなたの商いが人間の行いとして心あるものかどうかを図るのです。貸借対照表の貸方勘定の増えることばかりを気に病んでも意味はありません。晴れ晴れとした“心”のバランスこそあなたの商いの価値を高めます。
計数管理とは、人間の骨格や血液の量、体重の記録のようなものです。それだけでは単なる解剖結果にすぎません。骸骨に肉をつけ血を通わせても、人間そのものはわかりません。生命と精神を与えられて初めて人間は動き出します。
数字だけで経営あらゆる実態がわかると思ってはいけません。計数の重要性を理解しつつ、その限界を知るべきです。間違った方向へ目標を立てて計数を目安に進んでも、その先に正しい商いはありません。正しい方向、つまり人間としての誠実な志が先になければ、計数は意味を持ちません。
【今日の商う言葉】
商人の誠実さは
繁盛で証明され
商人の知恵の深さは
その利益で測れる