これまで日本の小売業は売場効率を追い求めてきました。
つまり、坪当たり売上高。
それが高いほど優秀な店であり、立派な商人とされてきました。
でも、よく考えてください。
どれほど売上げを積み上げでも、それが質を伴わない、つまりお客様の心からの喜びの少ない売上げならば、そこに意味はありません。
数字に置き換えられる売上げよりも、数字には置き換えられないお客様の喜び――そこにこそ商人の喜びもあるはず。
そのとき店はどうあるべきでしょうか。
「とくに用事はないけれど、店の居心地がよいから来ちゃった」
「あなたの顔を見ないと、一日が終わらないのよ」
こんなお客様の言葉こそ、じつは店の価値。
また、商業界草創期の指導者の一人、岡田徹はこう言います。
小さな店であることを
恥じることはないよ
その
小さなあなたのお店に
人の心の美しさを
一杯に満たそうよ
もう規模が大きいとか、資本力があるということが商いにおいて強さの源泉となる時代は終わりました。
そんなことよりも、どれだけお客様に寄り添えるか。
それは機械にはできません。
人だけができることです。
【今日の商う言葉】
人生は砂漠のようだと
嘆く人がいる
ならば店は砂漠の中の
オアシスのようでありたい