「おいしい」ものだけを売る
終戦後に食料品店を興した父母の後を、大学卒業後に継いだばかりのあるとき、その人は青果市場で父にこう言われました。 「いいか、良いものは仕入れるなよ」 意味がわからず、問い直すと父は言いました。 「良いものは高い。それが世 …
終戦後に食料品店を興した父母の後を、大学卒業後に継いだばかりのあるとき、その人は青果市場で父にこう言われました。 「いいか、良いものは仕入れるなよ」 意味がわからず、問い直すと父は言いました。 「良いものは高い。それが世 …
「息子夫婦が孫を連れて帰省してくるから、好きだったおはぎを食べさせてやりたい。でも、私も歳だから、自分でつくるのもたいへんになって……。さいちさん、あんたのところでつくってはくれまいか」 杜の …
「三白」と言われ、砂糖、卵と共にスーパーマーケットで特売の目玉商品として安売りされる豆腐。どのメーカーの商品も個性(personality)を失い、消費者にすればどこのメーカーのものを購入しても大差がなく、価格によって選 …
商業史を振り返ると、売上追求、規模拡大をめざすあまりに、「顧客の満足」という合理性よりも「自社の都合」という効率性を優先し、お客様からの支持を失って衰退していった企業が少なくありません。 また、総合化の名の …
「日本のワインをフランスに売り込むようなもの」 「アメリカ人が銀座で寿司屋を開くようなもの」 世界の一流メンズブランドが集まり、ニューヨークを代表するショッピング街として名高いマディソン・アベ …
これまで私は4000人以上の商人を取材し、その中で常識ではありえないような“奇蹟”の商いに出逢うことがありました。その数が少しずつ増えていくと、どれにも共通する「四つの繁盛の法則」の存在に気づいたのです。 …
「この技を自分の得意技と決めたら、それをとことん極めろ。小細工をせず王道を行け」 こう語るのは、最高段位の一つ手前、七段の心技体を持つ剣士、辻田浩之さん。日ごろ門下生に教えている精神であり、道を示す言葉です …
「品揃えのヒントはすべてお客様の中にありました」 こう語るのは、広島県庄原市の書店「ウィー東城店」の店主、佐藤友則さん。同店は書籍・雑誌以外にも、文具、雑貨、化粧品、加工食品、ミュージックCD、タバコ、カフ …
「あのころの僕は変でした。競合店に品揃えがパクられたと苛立ったり、日々の売上に一喜一憂したり。いつも売上と競合店ばかり気にしていました。木ばかりを見て、森を見られなくなっていたんです」 こう語 …
「自分が変わっているのではなくて、世の中のほうがおかしい。これまで経済効率優先で日本が捨ててきたものを、あらためて拾っていくのが私の商いですし、お客様への約束です」 「変わり者」と言われながら …