商業界が提唱する商売十訓の一つに「愛と真実で適正利潤を確保せよ」というものがあります。
愛とは命の支えであり、真実とは実践されることのすべての正しさであり、利潤は商いに誠実を尽くす経営の技術です。この三位一体から生まれる穢れなき正当な報酬を誇り高く手にする、これが倉本長治の教えの本質です。
「お客はいつも淋しい」と、商業界草創期の指導者の一人、新保民八は言いました。だから、あたたかさで店を満たすのです。ほのぼのとした故郷のようなぬくもりでお客様の心をあたたかく包みましょう。
そうすれば、店はお客様という名で呼ばれるすべての人の心の癒しの場となります。買物という行為を、満足だけで終わらせずに歓喜の場にしていくことが商人の務めです。
あなたは、これまで少しでも愛に生きる経営を実践してきたでしょうか。店を大きくすることや、利潤を増やすことや、ライバルを打倒することよりも、お客様への愛を大切にするほうがはるかに大切だとは思いませんか。利潤はそこから初めてただしく生まれてくるのです。