笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

ピラミッド型5層で表された「マズローの欲求5段階説」は有名です。生命維持の「生理的欲求」から始まり、身の安全を守る「安全欲求」、集団に属したいという「所属と愛の欲求」、他者から認められたいという「承認の欲求」へと続き、ここまでをマズローは「欠乏欲求」と名づけました。

 

こうしたhaving(持つこと)への欲求の実現を、私たち商人は長らく生業としてきました。そのため先人たちは、より多くの商品を揃え、より安い価格を追求したのです。流通革命の申し子、ダイエー創業者の中内功さんが唱えた「よい品をどんどん安く」は革命の旗印でした。

 

しかし、これら4つの欲求が満たされても、私たちは幸福になれませんでした。創造的活動をしたいという「自己実現の欲求」、さらに6層目となる“在ること(being)”の世界に生きる「超越的な自己実現の欲求」という「存在欲求」こそ、私たちが良く生きるために用意された場所だったのです。

 

品揃えや安さという“havingの商い”を卒業するときです。自身の存在を掛けられるような“beingの商い”をすること、それが商品の一つひとつに実印を捺すことであり、私たち人が良く生きるための手段なのです。このとき私たちは売り手と買い手という関係を超えて、共にwell-being(幸福)の入り口に立てるのです。

 

【今日の商う言葉】

商品の豊富さを誇る前に
価格の安さを自慢する前に
一つひとつの商品に
あなたの実印は捺してあるか

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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