商売をしていると、「いつになったら結果が出るのだろう」と思う瞬間がありませんか。チラシを打っても反応が薄い、SNSを更新してもフォロワーは増えない、新商品を並べてもなかなか売れない……。まるで朝の満員電車に揺られ、押し込まれながら、立ち続けているような気持ちになることがあります。
しかし、そんなときに思い出したいのが、アンパンマンの作者・やなせたかし先生の言葉です。
「生きるって、満員電車に乗ることみたいなもの。すごい満員電車でもずっと降りずにいれば、ある時席は空くんです。僕なんて終点近くでやっと座った」
やなせ先生は50歳を過ぎてから「アンパンマン」を描き始め、69歳でようやく世に広く知られる存在となりました。まさに“終点近く”でやっと座席を得た人生だったのです。
遅咲きの人生に宿る希望
やなせ先生は1919年に高知県で生まれ、若い頃は漫画家として芽が出ず、広告代理店でデザインの仕事をしていました。戦争を経験し、「人のために生きる」という価値観を心に刻んだといいます。
50歳になっても、まだ世間的に大きな成果を出したとは言えませんでした。しかし、その頃に誕生したのが「アンパンマン」です。当時の児童漫画としては異色で、ヒーローが自らの顔をちぎって人に与える姿は理解されにくく、出版も限定的。広く受け入れられるまでには長い年月を要しました。
それでもやなせ先生は描き続け、69歳のとき、テレビアニメ「それいけ!アンパンマン」が始まり、一気に国民的な作品へと花開いたのです。まさに「遅咲き」でありながら、大輪の花を咲かせました。
あきらめない心が夢を現実にする
やなせ先生の人生は、「夢を持つことの素晴らしさ」と同時に、「夢を持ち続けることの難しさ」を示しています。
夢を追いかけていると、必ず壁にぶつかります。周囲から理解されないこと、成果が出ないこと、生活の苦しさ…。そうした試練のなかで、多くの人が「もう自分には向いていないのではないか」と夢を手放してしまいます。
しかし、やなせ先生は手放しませんでした。満員電車の比喩が示す通り、「座れないから降りる」のではなく、「立ったままでも乗り続ける」覚悟を貫いたのです。その忍耐力こそ、夢を現実に変える鍵でした。
自分を信じるという最大の力
やなせ先生が伝えてくれるのは、誰かに認められる前に、まず自分自身を信じることの大切さです。
世間が理解してくれなくても、自分だけは「この道に価値がある」と信じ続ける。その信念があれば、人はどれほど時間がかかっても歩み続けることができます。そして、歩き続ける者にしか見えない景色が必ず訪れます。
「満員電車に乗り続ければ、席は必ず空く」──この言葉は、自分を信じ続けることの報いを表現しているのでしょう。
もし今、あなたが満員電車の中で立ち続けているように感じているなら、どうか降りないでください。結果はすぐに出ないかもしれません。でも、降りない限り、あなたの座席は必ず用意されています。
そして、その座席に座ったとき、きっとあなたはこう思うでしょう。「あのときあきらめなくてよかった」と。
夢を追うことの素晴らしさとは、結果を出す瞬間にあるのではなく、信じて歩み続ける過程そのものにあるのです。
➡今日の問いかけ
あなたの夢は何ですか? そして、その夢を「満員電車」に例えるなら、あなたは今どの位置に立っているでしょうか。







