笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

店長の一流・二流・三流

「店長として、私は今どこまでできているだろう?」
「数字ばかりに追われていないか?」
「スタッフの笑顔を引き出せているだろうか?」

そんな問いを心のどこかで抱いたことはありませんか。

 

日々の業務は山積みです。シフト調整、クレーム対応、発注業務……気がつけば一日が終わり、反省と後悔だけが残ることもあるでしょう。けれど、その忙しさの中で立ち止まり、自分の仕事を見直すことこそ、店長としての成長につながります。

 

店長の四つの大事な仕事

 

そもそも店長の仕事とは何か? それを整理すると、じつはシンプルです。

 

1.数字を管理する
売上、粗利、在庫、人件費──あなたは今、その数字をただ“報告用”として見ていませんか? それとも“改善のヒント”として読み解いているでしょうか。

 

2.人を育てる
自分が頑張ることと、スタッフが頑張ること。あなたはどちらに力を注いでいるでしょうか?  店の未来をつくるのは「あなた一人の努力」ではなく「みんなの成長」です。

 

3.お客様とつながる
お客様から「この店があってよかった」と言われたのは、最後にいつだったでしょうか? 挨拶やPOPひとつが、その言葉を生み出すきっかけになります。

 

4.未来を描く
今日の売上に追われるだけでなく、「半年後、この店をどうしたいか」を語れますか? 明日のビジョンを示すことが、店長の責任です。

 

一流・二流・三流の違い

 

ここで、同じ要点に取り組んでも成果が分かれるのはなぜか? その答えは「あり方」にあります。

 

三流の店長
問題が起きてから慌てて動く
数字を“提出用資料”としか見ない
スタッフを“コスト”としか考えない
お客様の声を“面倒なクレーム”として処理する

 

あなたはこんな行動に陥っていませんか?

 

二流の店長
数字を分析して改善策を実行する
スタッフに指示を出して現場を回す
お客様に丁寧に接客する
新しいことにも挑戦する

 

一見立派ですが、「自分が動いているときだけ成果が出る」状態になっていませんか?

 

一流の店長
数字の裏にある“人の動き”を読み取る
スタッフが自発的に動ける仕組みをつくる
お客様の声を改善の“宝”として活かす
店の未来を語り、みんなをワクワクさせる

 

もし「自分がいなくても店が回る」状況をつくれたら、それは一流の証です。今のあなたは、どの段階に近いでしょうか?

 

あるカフェ店長の気づきと変化

 

ある地方都市のカフェチェーンで、30代女性店長がいました。最初は二流型にあてはまり、自ら接客し、指示を飛ばし、店を引っ張っていました。けれど、そんな頑張りがいつまでも続くはずもありません。疲弊して笑顔を失っていったのです。

 

そんなとき、「店長さんが忙しそうで、笑顔を見られないのが残念です」という一言がお客様から届きました。この言葉に、彼女はハッとしました。

 

そこで「自分が動く」から「スタッフを輝かせる」へシフトチェンジ。新人には接客イベントを、ベテランには仕入れを任せるなど、役割を分けました。するとスタッフの表情が変わり、店全体の雰囲気が明るくなり、売上は前年比120%を達成しました。

 

「私がやらなければ」から「みんなでやれるように」に変えた瞬間、店長として一流の階段を登り始めたのです。

 

 

店長という誇りある役割

 

さて、あなたは今、どの店長でしょうか?三流にとどまるのか、二流で満足するのか、それとも一流を目指すのか。店長の仕事は、数字を管理することでも、スタッフを指導することでもなく、人と店の未来を育てることです。

 

「今日もスタッフが笑顔で働いている」
「今日もお客様が“また来たい”と思ってくださった」

 

その姿を生み出せるのは、店長であるあなたにしかできない尊い仕事です。

 

どうせやるなら、三流ではなく、一流を目指してみませんか? その一歩を踏み出した瞬間から、あなたの店も、スタッフも、そしてあなた自身の人生も、もっと輝き始めます。

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笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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