笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

拝金主義とか守銭奴という言葉ありますが、利益を求めて、なぜいけないのですか?

 

いいえ、利益は商う上で、儲けは人らしく暮らすために必要です。しかし、富を積み上げる手段として商売を考える場合、人間はどうしても卑しくなります。

 

いや、そんなことはないとあなたはいうかもしれません。ならば、なぜ企業による不正行為はなくならないのでしょうか。

 

世の中の人々の生活を豊かにし、楽しくし、安全にし、平安にするために商売はあります。商人は世の中の人々の生活を守るために行われ、そのことによるささやかな報酬が、無数の人々から店が信頼された結果として、積もり積もって富を成すようである場合においてはじめて、それは本当の商人の富といえるのです。

 

商人にとって富は、目的ではなく結果であることを忘れてはなりません。商人は自らの役割を「お客様」と呼ばれる消費大衆の生活の喜びをはぐくむことだと自覚したとき、その毎日に生き甲斐が生まれます。

 

金は儲からなくても、人間としてみごとであり、人生に成功した商人を、私はたくさん知っています。逆に、あり余まる富のために、もったいないことに人生を汚した商人がいることもたしかです。

 

だから商売には、ときとして損得勘定を超えたものがあってもよいでしょう。しかし、結果として損失になるような商売は商売とはいえません。

 

なぜなら、商売が世の中のために役に立ち、人々の幸福につながるものである以上は、その商売が日に月にますます発展してこそ意義があるからです。発展のためにこそ、商売は利益を挙げ、商人は富を必要とするからでです。

 

草木の花は実を結ぶために咲きます。しかし、実はまた花のために存在します。これが自然の摂理です。商売と利益との関係もまた同じです。

 

さて、あなたに質問です。

 

この商品をお客様が買ってくれれば、あなたの売上予算は達成されます。しかし、その商品がお客様にとって最適ではないこともわかります。あなたは、その商品を売りますか? それとも売れない理由を話しますか?

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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