笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

1月3日にするべきこと

正月三が日。初売りを終えた店、これから仕事始めを迎える人、休みの合間にスマートフォンを眺めながら、心のどこかがざわついている商人も少なくないでしょう。「今年は、何を目標にすべきか」「そろそろ動き出さないと出遅れるのではないか」という声が、内側から聞こえてくるのが1月3日です。

 

しかし、この日に急いで動き出す必要はありません。むしろ商人にとって1月3日は、まだ始めなくていい日です。今日は、動く前にたった一つのことを考える日にしたいのです。

 

目標より先に「在り方」を定める

 

多くの商人は、新年になると目標を立てます。売上、客数、利益率、新規事業――。どれも大切ですが、1月3日にそれらを決め切ろうとすると、たいてい無理が生じます。なぜなら、目標は「何をするか」であり、本来その前に定めるべきものがあるからです。

 

それが在り方です。

 

今年、どんな商人でありたいのか。どんな姿勢でお客さまに向き合うのか。忙しいとき、苦しいとき、何を拠り所に判断するのか。在り方が定まらないまま掲げた目標は、忙しくなった途端に形骸化します。数字だけが独り歩きし、心が追いつかなくなるのです。

 

逆に、在り方が決まっていれば、目標は後から自然に輪郭を持ち始めます。「誠実であり続ける」「手を抜かない」「目の前の一人を大切にする」といった言葉を、今年の自分の軸として置く。それだけで十分なのが1月3日なのです。

 

違いを生むのは準備の質

 

これまでの商いと人生を振り返ってみてください。焦ってスタートを切った年と、少し立ち止まってから動いた年。どちらが結果として実り多かったでしょうか。多くの場合、後者ではないでしょうか。

 

焦って動いた年は、他人の成功事例に振り回され、本来やらなくていいことに手を出し、途中で疲れ、息切れします。一方、整えてから動いた年は、判断がぶれにくく、やるべきことを絞れ、小さな成果を積み重ねられます。

 

違いを生むのは、能力ではありません。準備の質です。1月3日は、その準備のための時間です。去年の反省を急いで結論づける必要もありません。今年の戦略を完璧に描く必要もありません。「今年は、どんな呼吸で商いをするか」という感覚を、静かに身体に落とし込む日。それが1月3日なのです。

 

まずは深呼吸から始める

 

商いは短距離走ではありません。マラソンですらなく、日々の呼吸に近いものです。吸い過ぎれば苦しくなり、吐き過ぎれば力が抜ける。一定のリズムで、淡々と続けることが何より大切です。

 

年初に力を入れ過ぎると、春先で疲れが出ます。逆に、何も考えずに走り出すと、途中で方向を見失います。だからこそ、1月3日は深呼吸をする日です。

 

・今年は、無理をし過ぎない
・毎日続けられるペースを守る
・一つひとつを丁寧に扱う

 

そう決めるだけで、一年の商いは、驚くほど安定します。始めなくていい。焦らなくていい。比べなくていい。商人にとって大切なのは、「いつ始めたか」ではなく、「どう在り続けたか」です。

 

1月3日。静かなこの日に、自分の呼吸を整えること。それこそが、商いの一年を決めるたった一つの仕事なのです。

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笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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