絵はがきを書いた男
「反省したり改善したりするのに役立つ友だちを君は持っているだろうか。本当の友だちは、正しく生きるときに最も大切なものである」
新著『店は客のためにあり店員とともに栄え店主とともに滅びる』の主人公、倉本長治が遺した言葉です。この言葉のとおり、倉本は多くの商友に囲まれた男でした。
今日のようにSNSもeメールも、いえファクスすらなかった時代にあって、倉本と全国の商友を結びつけたのは、自ら描く一枚の絵はがきでした。多くの原稿を書き、多くの商人に会い、多くの店を訪れた倉本なのに、いったいどこにそれだけの時間があったのだろうか思うほど、彼は多くの絵はがきを友に送っています。
一つひとつに季節の花や果物、干支のいきものなどを描き、味わいのある筆致でメッセージをしたためています。いただきものへのお礼であったり、友へのアドバイスであったり、病気見舞いであったりと、送る相手のことを思いやる気持ちが文面から伝わってきます。その心遣いが、多くの商人との絆を強くしたのでしょう。
私の取材経験からも、お客様に愛される商人は必ず、相手に己の気持ちを伝える発信をしています。お礼状であったり、ニューズレターであったり、SNSであったりと手段はさまざまですが、彼らはまるで親しい友にそうするように、お客様へ友愛のメッセージを怠りません。
小さな一枚のはがきに、あなたもお客様の友愛を込めてみませんか。
お客様を愛し、お客様に愛される商人に、元気と役立つ情報をお届けします
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当研究所は、お客様を愛し、お客様に愛され、明るい未来を創造しようと努めるあらゆる商人の応援団です。「商業界」編集長として向き合った4000人超の商人から学んだ「選ばれ続ける店のあり方とやり方」を講演や研修、執筆を通じてお伝えしています。