ショッピングセンターや商店街でよく見かけるようになったカプセルトイ専門店。「ガシャポン」と呼ばれる自動販売機がずらりと並び、空き床、空き区画、空きテナントを埋めてくれるありがたい存在です。そして最近、市場規模が伸びています。
一般社団法人日本カプセルトイ協会の調べによると、製造元出荷ベースでの市場規模はヒアリング回答のあった35社のメーカー希望小売価格の合計より販売状況などを考慮して算出した結果、約1,410億円。前回調査(2023年度)の1,150億円から122.6%アップしています。
2024年も前年に引き続き店舗型のカプセルトイ専門店の出店が増加し、全国で大小700店舗以上が現在営業中。ただし都市部、特に首都圏の主要都市周辺では飽和状態、店舗間の競争が激化しており、運営会社独自の店舗づくりやオリジナル商品の開発などの差別化が重要となっています。
一方、まだ地域差があり、2025年は地方都市にカプセルトイ専門店が拡大していくと推測されています。参入メーカーも増え続けており、それに伴い2023年度には毎月約500種類ほどであった新商品のリリースが2024年度には毎月約700種類と、1.4倍ほどに増加となりました。
商品単価は引き続き円安の影響や原油高による輸送費の高騰などを受け、400~500円の商品が中心となり、200円の商品がほぼ姿を消すこととなりました。メインターゲット層である20~30代女性の間で「推し活」が定番化したこともあり、カプセルトイでも「推し活グッズ」が人気となっています。
また、「企業コラボグッズ」は食品や日用品のほか、化粧品やアパレルブランドとのコラボ商品も増加。企業側がカプセルトイを有効な「広告媒体」と認識し、自社商品のプロモーションの場として活用しています。
2025年は市場規模としてはさらに増加する反面、収益性の悪化による専門店の撤退も始まると思われ、拡大期から成熟期への転換になるのではと予想されています。