笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

忙しい日常の中で、ごぶさたしている人の顔が思い浮かび、ああ、お会いしたいなあと思うことはありませんか。そんなときは必ず連絡を入れてみましょう。そうしなければ、後悔するかもしれないからです。歳を重ねると、そんなことが多くなるものです。この人も、そんな後悔をおぼえたお一人です。

 

中学を卒業すると大阪の靴下問屋に丁稚奉公、以来60年以上にわたって靴下ひと筋。今では「靴下屋」はじめ靴下専門店280店を展開、靴下単品で売上高150億円を商うタビオの創業者、越智直正さんは敬愛する商人の一人。数年前にインタビューしたときの次の言葉が心に残ります。

 

 

〈商売の目的は、お客様に喜んでいただくことです。それなのに、商人の多くが「いかに人をだまして儲けるか」に懸命になっているように思われます。儲けることばかり考えている商人は、「術」の世界に陥っているのです。

 

「術」は人をたぶらかすものです。
「道」は己を磨くものです。
「術」は「道」にならないと世に残りません。

 

だから剣術は剣道に、柔術は柔道になって残りましたが、忍術は滅びました。多くの商人は今、「道」を学ばずに「術」ばかり研究している。「術」ではなく「商人道」にならないかぎり、けっして世の中に残っていけないでしょう〉

 

冒頭の写真は、そんな同社の創業の理念です。

 

凡そ商品は
造って喜び
売って喜び
買って喜ぶようにすべし
造って喜び
売って喜び
買って喜ばざるは
道に叶わず

 

「道」とは、人としての正しい生きかた。それがお客様に喜びを、店に繁盛を授けてくれます。なにわの靴下商人はそれを実践した人でした。

道と経済の合一。これはダスキン創業者、鈴木清一さんの遺した経営しそうですが、タビオの越智直正さんにも同じものを感じます。

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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