好い店にめぐり逢いました。講演のために、久しぶりに東京・世田谷区の経堂駅に降りたち、かねてより噂を聞いていた店で昼食をとりました。農大通り商店街を歩くこと7、8分、表通りを離れて裏通りに進んでいくとその店はありました。
日本蕎「しらかめ」。ドアを開けて店内に入ると、「外でしばらくお待ちいただけますか」とひと言。たしかに店内は多くのお客さんでにぎわっていました。しばらく待ち、店内に通されると、それほど大きくない店から感じられるのは、店主夫妻の醸しだす心地よさ。供された一品も、味わい深いものでした。
その後、講演を終え、懇親会で訪れた店がまた心地よい空間でした。住宅街沿いの道にある居酒屋「くいものや楽」。スタッフの接遇が気持ちよく、あっという間に楽しい時間が過ぎていく中、トイレに入ると、そこにはこうした張り紙が目に入ります。
「すいませーん」禁止の店。「スタッフを呼ぶときは名前を呼んでもらえると嬉しい」という思いが込められています。以前のブログで、カスハラ防止の観点から、店頭のスタッフの名札から「名前」が消え、スタッフと書かれていたり、イニシャルで記されていたりすることの問題点を記しましたが、この店は実名推奨。そしてスタッフもお客様を「宅番」ではなく、「名前」でお呼びしたいと書かれています。
名前を知り、名前で呼びかけることは人間関係構築の最初の一歩であり、王道です。そうした関係を紡いでいくところに繁盛はあります。そんなことに気づかせてくれました。ご縁がつながり、訪れた店。今日のご縁に感謝申し上げます。