今回は質問から始めます。次の5項目のうち、あなたはいくつ当てはまるでしょうか?
①年齢は49歳から59歳
②職業は会社員、経営者・役員、自営業
③世帯年収は1000万円以上
④自己肯定感が高い
⑤完全主義的な傾向が強い
これら5つにのすべてに当てはまる人、あなたはこれまでにカスハラの加害者となったことはないでしょうか? 私は3つ当てはまりました。
これは、東洋大学社会心理学科教授、桐生正幸さんの『カスハラの犯罪心理学』で紹介されているカスハラ加害者の態度と傾向です(99ページ)。アンケートをとったところ、約半数が(カスハラの定義はさておき)カスハラ加害の経験があったそうです。
本書は、かつて科捜研で犯罪者プロファイリングに携わっていた著者によるカスハラ傾向と対策を記した一冊。犯罪者プロファイリングの手法でカスハラ加害者の心理に迫っています。
では、性別によるカスハラの違いはあるのでしょうか。著者は次のようにまとめています。
「男性では、45歳以上が店員のミスや手続き不備などを理由に、高圧的な態度をとり、上層部からの謝罪を受けるタイプが多かった。それに対して女性はというと、45歳未満が商品の欠陥を理由として、店員に対して淡々とクレームを述べ、商品や商品代を受け取るタイプが多い。攻撃性は男性の方が高く、年齢も上がる」(97ページ)
カスハラの加害者には「おたがい様」という意識が欠落した「俺様」タイプが多い、と著者。皆さんも我が身を振り返ってみてはいかがでしょうか。