笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

野村総合研究所が3年に一度実施する「生活者一万人アンケート」。10回目となる今回は2024年8月、全国15歳~79歳の男女計1万人を対象に、訪問留置法で生活像や生活価値観、消費実態を尋ねており、その結果の一部を知らせるニュースリリースが一昨日に発表されました。

 

毎回注目しているのが、消費意識を「価格の高低」「商品へのこだわりの有無」の2軸でグラフ化した「4つの消費スタイル」。構成比変化を見ると、「安さ納得消費」(=製品にこだわりはなく、購入する際に安さを重視)の割合が22%に減少し、「プレミアム消費」(=自分が気に入った付加価値には対価を払う)および「徹底探索消費」(多くの情報を収集し、お気に入りを安く買う)が2024年には増加しています。

 

 

 

つまり私たちは何かを購入する際に、価格の安さよりも付加価値を重視する傾向が強くなっているということです。その傾向は2000年の調査以来、緩やかではあるものの確実に続いています。諸物価が高騰して久しい昨今、今回のアンケートではこれまでの傾向が逆転、または歯止めがかかるかと思われましたが、そうではありませんでした。

 

しかし、実質賃金が停滞して久しいのも事実であり、私たちが消費に使える金額は目減りしています。つまり、私たちは不要な買い物を見送り、自分が本当に気に入った付加価値に消費を集中していることがわかります。多くの情報を収集し、お気に入りを安く買うという「徹底探索消費」の割合が上がっていることも証左と言えるでしょう。

 

プレミアム消費の一例に、お気に入りの著名人やキャラクターなどをさまざまな形で応援する消費「推し活」があります。こうした傾向は著名人やキャラクターにとどまらず、店、企業、商品といったジャンルにも見られ、多くの人はそれを「ブランド」と呼びます。

 

さて、あなたの店、そして企業がお客様に「選ばれる理由」は何でしょうか。即答できなければ、それはお客様には伝わっていない恐れがあります。

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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