仕事柄、取材では「売上高は?」「店数は?」「利益高は?」という質問をします。これら「量」は商売をする上で避けては通れない、大切なものさしです。
しかし、それだけであってよいはずはありません。ビジネスはもちろんのこと、人間どうしの付き合いにも「質」というものさしがあることを忘れてはなりません。
質があって量があり、数があります。質を忘れて、量や数を追求したとき、商いは滅びます。
精神、魂、心の在り方こそ商いの本質です。いくら儲かっても、巨大になっても、業界に覇を唱えても、その心が空疎では、商人の本当の喜びはありません。
商業の本質は、あくまでも一人ひとりに幸せを売ることにあります。売れる数や量よりも、その内容や人の心のありようが忘れられていては意味を持ちません。