新年明けましておめでとうございます。いつも私のブログをご覧くださりありがとうございます。本年も日々の気づきや学びを届け、何かのヒントにしていただけるよう努めてまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨日大みそか、買い忘れていた正月の食材を買いに近くの生協を訪れたときのこと。サッカー台で商品を袋詰めしていて目にとまったのがカスタマーハラスメントを警告するポスターでした。昨年4月には東京都でカスハラ防止条例が施行されるなど、その勢いは今年も留まるところを知りません。
増加の要因の一つにSNSの普及による顧客の発信力が増したことが挙げられますが、そもそもお客様は神様でも、敵でもありません。対等の人間どうしであり、役割の違いがあるにすぎません。繁盛店には応援してくれる友のような顧客が必ずいます。
カスハラを考えるとき、私はある二つの店のことを思い出します。ともに食品小売店、アメリカの「スチューレオナルド」とイタリアの「イータリー」です。
ルール1 お客さまは常に正しい
ルール2 お客さまが間違っていると思ったら、ルール1を読み返せ
店頭に置かれた大きな石にこう刻んでいるのは、アメリカ東海岸の繁盛スーパー、スチューレオナルド。経済誌「フォーチュン」では、働き甲斐のある会社全米トップ100の常連としても知られています。
一方、店頭に次のように掲げるのがイタリアの食料品店、イータリーです。「食べる」「買う」「学ぶ」をストアコンセプトとする素晴らしい店です。
1.お客さまは常に正しいとはかぎらない
2.イータリーも常に正しいとはかぎらない
3.その互いの相違を通じて、私たちはハーモニーを創造しよう
この二つ、一読するとまったく反対の主張をしているように思えます。いったい、お客様は正しいのか、正しくないのか? 私の考えでは、どちらも正しい。大切なのは、立場が異なるものとして受け入れ、その上で調和を図るところにあります。
お客様と商人は、どちらが上でも、どちらが下でもない対等な関係にあります。そこにあるべきは、人間どうしの深いコミュニケーションと、人間的信頼。このとき、お客様は常に正しい存在なのです。人は愛するに値し、真心は信じるに足ります。人とは顧客であり、商人もまた人です。