猛暑の夏、皆さんはどんな買物をしましたか? 我が家では先日、次男の部屋のエアコンが突如冷えなくなり、メーカーに修理を依頼したら3週間後と言われて切れかかり、気を取り直してやむなく別メーカーの製品購入を決断。これが最も高価な買い物となった2024年夏でした。
各地で連日、最高気温35℃以上の猛暑日が続いています。6月以降、猛暑日を観測した地点の累積地点数は、記録的な高温となった昨年2023年や2018年をすでに上回っていると日本気象協会。暑さ寒さも彼岸までといいますが、9月中もまだまだ30度を超える真夏日を記録するところが多く、秋の到来は平年よりひと月ほど遅れると予測しています。
この夏、各業界の売上はどうでしょうか。企業信用調査会社、帝国データバンクによると、猛暑による外出控えで商品・サービスの動きが停滞している企業がみられる一方で、エアコンや飲料などの季節需要の拡大に加え、タクシー利用の増加などによりプラスの影響を受けている企業も複数あり、猛暑による経済効果が出ているといいます。
アンケート調査(有効回答数1,572社)によると、猛暑で売り上げが伸びた商品・サービスがある企業は11.4%。業界別では「小売」が3割でトップ。「卸売」が20.1%と続いています。売上が伸びた商品・サービスは「エアコン・空調関連」が最多で、「食品関連」も目立ちます。また、「空調服」や「タオル」「夏物衣料」などの「衣類関連」のほか、「冷却グッズ」などの「熱中症対策関連」商品の好調です。
業界別にみると、好調な「食品関連」を担うスーパーマーケットの7月の売上は、前年同月比が全店で101.1%、既存店でも100.4%。とりわけ「惣菜」が102.4%(全店)、101.5%(既存店)とけん引しました。一方で暑すぎて来店頻度が減る傾向もみられます。「気温35度くらいまでは飲み物やアイス、夏物衣料などの消費が増えるが35度を超えると外出が減るためマイナスに働いてくる。暑すぎる夏になると消費は冷え込む傾向にある」と識者は分析しています。
同じく「食品関連」を担うコンビニエンスストは100.6%(全店)、100.4%(既存店)と微増にとどまっていることから、識者の指摘は信ぴょう性を持ちます。ちなみに、百貨店はインバウンド効果もあって29カ月連続プラスの105.5%。しかし、都市部が108.2%に対して都市部以外は96.9%とインバウンド需要の恩恵には濃淡があります。もう一つ夏物衣料などが好調の「衣料関連」と言えばユニクロ。既存店とECの合計が108.1%と伸びています。
さて、まだまだ猛暑は続く気配。私たち小売業の役割は、お客様の不満・不便・不快・不利益・不経済といった“不”の解消です。気温が暑かろうと寒かろうと、やるべきことは変わりません。気象を売上不振の理由にすることなく、続く猛暑を乗り切りましょう。