戦略(ストラテジー)、戦術(タクティクス)、標的(ターゲット)、軍事行動(キャンペーン)、兵站(ロジスティクス)……。こうした戦争用語を、日々の商売で当たり前に使ってはいませんか。消費者を攻略し、「市場」という領土の拡大を勝利とする発想から卒業しましょう。
War is over if you want it. あなたが望めば戦争は終わるのです。
たしかに、人口増加、経済成長期の社会にあっては通用したかもしれません。売上欲しさにお客様の気持ちを害しても、次なる標的はたくさん存在したからです。“殺戮”を繰り返しても、新規顧客の捕獲は容易だったのです。しかし、人口減少と経済成熟化の今日、もはや成り立ちません。
お客様を、モノを消して費やす「消費者」として一緒くたに扱っていませんか。大量生産、大量宣伝、大量販売、大量消費、そして大量廃棄。こうしたやり方では、モノを活かして生きる「生活者」の心を満足させることはできません。見える市場を略奪するのではなく、見えづらい一人ひとりの需要を創出しましょう。
一人ひとりの笑顔の総和こそ社会の幸福です。商いは人の心に喜びを生みだします。社会に幸福を増やし、暮らしを物心両面で豊かにする営みです。お客様の幸福な生活を守るのが商人の務めだと、日々の仕事に誇りを持ちましょう。