笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

売って楽しかったと
思える販売なら
きっと買ったお客様も
うれしい買物である

 

戦後日本の商業史は、産業化の歴史でもあります。それはチェーンストア経営というビジネスモデルを多くの商人が目指した軌跡でもあります。供給より需要が上回っていた時代、チェーンストアは経済民主主義の錦の御旗でした。それによって私たちの暮らしは豊かになりました。

 

しかし、商売から楽しさを奪ったことも一面の事実です。チェーンストアの本質は効率化、標準化、単純化の追求にあります。このとき、私たちは大切なものを落っことしてきたのかもしれません。大切なもの、それは一人のお客様のために損得を忘れて商売を楽しむことです。

 

倉本長治は日本にチェーンストアを紹介し、戦後経済においてその成長に力を尽くしました。彼に学んだ多くの商人がチェーンストアづくりに奔走するとき、倉本はチェーンストアを「街路樹」にたとえ、次のような指摘をしています。

 

都市に緑が必要なのは空気を新鮮にし、人びとに安らぎを感じさせるためです。しかし街路樹には、本当に人を喜ばせ、美しいと思わせる樹木はありません。樹のうちには、街路樹ではないほうが良い性質のものがあります。一茎の小さな草、伸び伸びと枝を伸ばした自然樹にしかない価値があります。そのほうが人間にもっと大きい喜びを与えることを忘れてはなりません。

 

「あなたの店がこのまちにあって良かった。あなたがいるから私の人生は楽しい」と言われること、企業規模、店数の多寡を問わず、私たちが目指すべき道がここにあります。そのとき、企業規模、店数の多寡は大した意味を持ちません。お客様から言われる「ありがとう」のひと言、ここに商人の喜びがあります。

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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