笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

2020年春、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、主要都市に初の緊急事態宣言が出されたとき、日本経済という生きものの血流は止まりかけました。小売業、飲食業など生活産業ほど影響は大きく、国内外の多くの企業が苦境に立たされたことは周知のとおりです。

 

 

日本におけるハーブとアロマテラピーのパイオニア企業「生活の木」も他社同様にコロナ禍の猛威を受け、全国110店舗すべての営業中止を余儀なくされました。直営の専門店事業は同社売上高の約7割を占める屋台骨。それが2カ月間にわたり休業を余儀なくされたのです。

 

当然ながら8月の決算も他企業同様に惨憺たる結果と思いきや、前期比3%の増収、2.5倍の増益。卸売事業とオンライン通販事業の健闘、さらにはコロナ禍対応商品の開発など理由は事欠きませんが、その背景には同社、そして経営トップと約束で結ばれ、絆でつながる三人のパートナーの存在がありました。

三人のパートナーとは誰でしょうか? その詳細は新著『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則』に譲りますが、ここでは生活の木社長の重永忠さんが語った言葉をそのヒントとして紹介します。

 

「長い間、会社は何のためにあるのか自問自答してきました。そして、社員が人生を賭けて行う“志事”に打ち込め、それにより社員と家族が幸せになるためにあるという結論にたどり着きました。経営者としてお客様に喜んでいただくのは当たり前。さらに社員に幸せになってもらうことが私にとっての経営の醍醐味です」

 

「生活の木は、お客様に“自然・健康・楽しさ”を提案することを使命とし、植物の恵みを大切にしています。この恵みを生み出すために、地球と植物、動物、そして関わるすべての人々が安心して持続可能な生活を送れるようにしなければなりません。そこで私たち生活の木はコミュニティートレードという呼称で、世界においての当該事業のコミュニティーを形成していく事業活動をしています」

 

「お客様が求めていることの本質は物ではなく心です。だから当社はハーブとアロマテラピーを手段として、ハーブとアロマテラピーとウェルネス、ウェルビーイングのある生活のお客様への提案を目的とします。心身の健康と合わせ、社会や地球に良い環境を創造する事業に挑戦していきます」

 

おわかりですね。これらが絆でつながる三人のパートナーです。重永さんの口ぐせ「醍醐味」とは、この関係性の中から生まれるものなのです。

 

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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